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高校No.1決定戦は、千葉県予選にあり! 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byManabu Takahashi

posted2007/11/29 00:00

高校No.1決定戦は、千葉県予選にあり!<Number Web> photograph by Manabu Takahashi

 今から12年前、全国高校選手権の千葉県大会決勝が、ちょっとした注目を集めたことがある。

 対戦したのは、その年、高校総体を制した習志野と、前年度の選手権優勝校にして、その年の関東大会を制していた市立船橋。当時、習志野には廣山望(東京V)、福田健二(ラスパルマス)、市船には北嶋秀朗(柏)らがおり、両校の選手が主力をなした千葉県選抜は、同年の国体をも制覇していた。実に、その試合は県大会決勝にして、事実上の日本一決定戦でもあったわけである。

 そして今年、その千葉県大会決勝が再び、大きな注目を集めようとしている。というのも、すでに日本一のタイトルを獲得している二校が、たったひとつの代表の座を争うことになりそうなのだ。

 まず注目されるのは、高円宮杯全日本ユース選手権で優勝した、流通経済大柏である。高校のみならず、クラブユースも含め、この年代の頂点に立った流経大柏は、'07年の高校サッカー界の主役と言っていい。これに対するは、市船。こちらもまた、今年の高校総体を制している。

 同一県の異なる二校が、同一年の総体、高円宮杯を獲得した例は過去になく、これは、突出した力を持つ一校による二冠獲得以上に実現の難しい快挙である。

 千葉県内には、J1の2クラブがあり、そこにはユースチームが存在する。高校側の立場に立てば、当然、人材の流出は避けられない。それでも、高校のレベルは低下するどころか、互いが競い合うことで、かつては静岡の専売特許だった、“全国大会で優勝するより、県予選を勝ち抜くほうが難しい”水準にまで達した。高円宮杯の優勝会見で流経大柏監督の本田裕一郎が、選手権優勝という目標に向けて、「まず、千葉(の県予選)を抜けるのが大変」と、その難しさを語る様子は、どこか誇らしげでもあった。

 12年前、頂上決戦に敗れた廣山は、当時を振り返り、こう話す。

 「僕らは市船と高め合って強くなったし、お互いを認め合ってもいた。だから、市船に負けたのなら仕方ない、絶対に全国優勝してほしい、と思いましたね」

 両校が順当に勝ち上がってくれば、12月9日に、史上空前の超豪華な県大会決勝が実現する。それはさしずめ、今年の統一王座決定戦なのである。

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