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北島康介ら主力が本気で挑むアジア大会。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2006/12/07 00:00

 2年後に迫った北京五輪の前哨戦となる第15回アジア競技大会が、12月1日から15日までカタールのドーハで開催される。45の国と地域が参加し、39競技424種目でメダルを争うこの大会に、日本は628人(男子352人、女子276人)の大選手団を送り込む予定だ。4年前の釜山大会では金44、銀74、銅72のメダルを獲得したが、各競技の主力選手がほとんど出場する今回は、さらなる好成績が見込まれており、五輪本番を占う意味でも注目される。

 本来ならマラソンなど一部の種目以外は、この時期はオフシーズンに当たる。ただでさえ五輪に比べてモチベーションが低くなりがちなアジア大会への参加を回避する選手が増えても不思議はない。

 だが今回は、少し事情が違う。たとえば競泳は3月に世界選手権がオーストラリアであるため、今大会は実戦練習の場として重要になってくる。そのため北島康介や中村礼子ら、アテネ五輪のメダリストがずらりと顔をそろえた。特に今季不本意なレースが続いている北島にとっては、世界選手権に向けて態勢を立て直す最後のチャンスだけに、並々ならぬ決意で臨んでくるに違いない。

 10月の世界選手権で中国に敗れた体操は、エースの冨田洋之を中心に王座奪回を目指す。世界選手権では従来の「美しい演技」にこだわりすぎ、10点満点廃止に伴う新採点法への対応を誤った。それからまだ1カ月半しかたっていないが、北京の前哨戦ということを考えれば連敗は避けたいところ。中国の力を再確認する意味でも重要な大会で、短期間でどこまで仕上げられるか首脳陣の手腕が問われそうだ。国際大会101連勝中の女子レスリング55kg級の吉田沙保里は「アジア大会はあくまでも通過点」と言い切る。9月の世界選手権では得意のタックルに行ったところを逆に返される場面もあったが、帰国後すぐにタックルの入り方を増やす練習に取り組み、今回は文字通り一分の隙もない万全の状態で臨む。勝ち続けることで、相手に「吉田にはどうやっても勝てない」という苦手意識を植え付ける効果もあり、一切手抜きなしの全力投球で戦うだろう。

 アジアで頂点に立てなくては、五輪の金メダルはありえない。本気モードで臨む選手たちに注目だ。

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