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PPVの数字を取れる対戦カードの条件。 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2009/01/29 00:00

 ボクシング界昨年の「世界のMVP」は、どのメディアもぶっちぎりでマニー・パッキアオを選んでいる。当然だろう。4階級制覇の上、12月オスカー・デラホーヤ戦のまさかの快勝である。

 この試合前までは、ウェルター級の「ティファナの竜巻」アントニオ・マルガリートがMVPと年間最高試合賞独占かと見られていた。死闘の果てに不敗王者ミゲル・コットを倒した一戦があまりに強烈だったからだが、パッキアオの快挙で逆転されてしまうとは。それでもパッキアオ対デラホーヤ戦が最高試合に選ばれなかったのは、やはりゴールデンボーイの衰えがあまりに顕著だったからか。この試合を見る限り、世界のトップ選手としてはもはや限界で、パッキアオの強拳が「引退勧告」したかたちだ。

 本当にこのまま辞めるかどうか。デラホーヤほどチケットとPPVの売れるアイドルは他になく、まだまだ現役でいてほしいと願う関係者も少なくないからだ。

 同時に彼らは、チャンピオンのまま引退した2人の男の復帰を当てにしている。ひとりは、早くもパッキアオの対戦者に擬せられるフロイド・メイウェザー。もうひとりは、こちらも人材難のヘビー級で再起コールの止まないレノックス・ルイスである。メイウェザーはまだいくらか脈がありそうだが、ルイスの再起の目はもはや潰えたといっていい。最終戦から5年が経過し、「名誉の殿堂入り」の資格を得た途端、米国の東西2つのボクシング殿堂から指名されているからだ。

 ボクシング興行の成否を左右するPPVの申し込み件数を見ると、一昨年のデラホーヤ対メイウェザー戦で225万件の新記録を樹立し、デラホーヤに5000万ドルの報酬をもたらした。これは突出した数字で、デラホーヤ対パッキアオ戦はその約半分で125万件。これでもデラホーヤ抜きにしてはありえまい。パッキアオ戦はこれまでだいたい30万台だった。春にも実現濃厚といわれる英国のアイドル、リッキー・ハットンとの一戦も、デラホーヤ戦の半分もいけば成功と言えよう。

 メイウェザーが本当に再起するのであれば、個人的には、体重の釣り合うマルガリート戦を、同じくパッキアオはエドウィン・バレロ戦を見たい。いずれも、即実現の気配はないが……。

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