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アイルランドとの連戦で、日本が学ぶべきは何か。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinsuke Ida

posted2005/06/09 00:00

アイルランドとの連戦で、日本が学ぶべきは何か。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 世界一ラグビーが強いのは? の問いに即答するのは難しいが、世界一旨いビールは? の問いには瞬時に答えられる。それはアイルランドのパブで頂く漆黒のスタウトだ。'91年W杯で日本の吉田義人が快走した夜「ジャパンは素晴らしかった!」と、店内のあちらこちらから注文してないギネスを贈られて以来、記者の信念となっている。それ以降、記者はアイルランドのラグビーに敬意を払い、せめてもの恩返しにと世界各国のアイリッシュパブを巡り歩いている。

 そのアイルランド代表が6月に来日。12日に大阪・長居で、19日に東京・秩父宮でテストマッチを行う。'90年代の5カ国対抗では最下位4度と低迷したが、6カ国に拡大された2000年からは3位→2位→3位→2位→2位→3位と上位に定着。2000年11月には遠征した日本代表を78対9で粉砕し、平尾誠二監督を辞任に追い込むなど、因縁も深い。

 しかし今年は4年に一度のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの遠征イヤーだ。連合軍に主力を奪われた'89年のスコットランドが日本代表に敗れ、'01年のウエールズはサントリーに金星を献上するなど、日本にとってはゲンがいい。今回のアイルランドも『世界一のCTB』オドリスコルら大量11人がライオンズのNZ遠征に選ばれ不在なのだが……16日に発表されたアイルランドの日本遠征メンバーは、予想以上に強力な陣容だった。

 主将を務める67キャップのSOハンフリーズ、'03年W杯の準々決勝フランス戦で衝撃の50m独走トライを挙げたCTBマグスら、40キャップ以上の猛者が7人も並んだのだ。「日本との2試合はタフなフルインターナショナルの戦いになる。鍵はチームのバランス。FW、BKとも要所に経験のある選手が必要だ」(来日チームのオドノバン監督)。

 アイルランドと言えば永遠の代名詞がハイパントとタックル。近年はオドリスコルらの個人技が主役に映るが、イングランドやフランスの眩しい才能たちに対し、愚直に体を張ってテストマッチの誇りを守り続けた歴史は、弱小国のファンにも連帯感を抱かせてきた。それは'91、'95年W杯の日本戦でさえ同じだった……。

 下旬にはW杯招致のIRB視察団も来日する6月。緑の軍団は、何か国際ラグビーの教訓を与えてくれそうな気がする。

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