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史上最高落札馬はSSの後継になれるか。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph bySeiji Sakaguchi

posted2004/07/29 00:00

史上最高落札馬はSSの後継になれるか。<Number Web> photograph by Seiji Sakaguchi

 サンデーサイレンス産駒を求め得なくなってからの初めてのセリとして、様々な意味で注目を集めた、「セレクトセール2004」(日本競走馬協会主催、当歳馬316頭が上場)が、7月12、13日の両日、北海道苫小牧市のノーザンホースパーク特設会場で行なわれた。

 名種牡馬サンデーサイレンスは、その産駒が先ごろ史上初の通算1900勝を突破し、死後もリーディングサイヤーランキングの首位を断トツで突っ走る不世出のスーパーサイヤー。国内の最高レベルの当歳馬が集結する同セールにおいても、SS産駒はもちろん別格の扱いだ。常に他を圧倒する高値で取引され、日本の競走馬生産の夢を大きく育む役割も果たしてきていたのだ。

 しかし、SSの死で夢が潰(つい)えたのかと言えばそうではない。どんな時代になっても勝者は必ず存在するからだ。強過ぎる種が使えなくなったことで、優れた子馬が多種多様な血筋から生産される可能性がグンと広がる。SSの強さに阻まれてきた血でも、その壁に泣かされることなく頂点まで昇りつめることができるかもしれない。生産者も購買者も、そういう前向きな気持ちでこのセリに臨むことができた。果たして市場は、かつてないほどの熱狂相場となったのである。

 2億近くまでは上がるかもしれないと観測されていた父ダンスインザダーク、母エアグルーヴの牡駒(ノーザンファーム生産)が、なんと史上最高値を大きく更新する4億9000万円の落札。これにももちろん驚いたが、父ゴーンウエスト、母シアトルサンセットという馴染みのない血統の牡駒が2億8000万円まで高騰したときには、相場とあまりにもかけ離れた争奪戦に、場内には一瞬違う空気が流れ込んだ気がしたほどだ。落札者は2頭とも関口房朗氏。「セリには負けたことがない。予算は無限大。ファンのために夢を買った」と豪語する怪人物である。

 その2頭を例外としても、今回は全体を通してよく売れた。新種牡馬のジャングルポケット、マンハッタンカフェが好スタートを切り、2年目のクロフネも依然高い評価。それとSSの血を継ぐ1番手と目されているダンスインザダークは早くも高値で安定している。浮上傾向が見えると言われている日本の景気を先取りするような、凄いセリだった。

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