SCORE CARDBACK NUMBER

走り続けるフェラーリと、トラブル続きの追撃陣。 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byHiroshi Kaneko

posted2004/07/01 00:00

走り続けるフェラーリと、トラブル続きの追撃陣。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 勝ち進むフェラーリとM・シューマッハー。中盤戦に入っても彼らの強さは抜きん出ている。第8戦カナダGPで7勝目。6位スタートからきっちりと逆転のシナリオを演じてみせた。ポールポジションからの独走よりも、こういうレースの方が当然難しく、ひとつのミスも許されない。ドライバーもピットクルーも、作戦を組むエンジニアたちも、質の高い戦いぶりを見せつける形となった。

 ウイリアムズ・チームには失格事件が勃発。2位R・シューマッハーと5位J-P・モントーヤの入賞は取り消しとなった。ブレーキがきついカナダGPで、ブレーキ冷却ダクトの寸法規定違反がレース後に発覚。名門チームが犯した技術的なミステイクである。ちょっと情けない。トヨタ・チームも同じ違反で計4台が失格。レースの終了後、パドック内は翌週アメリカGPへの移動準備で大忙しだったが、後味の悪さが残った。

 フェラーリが輝けば輝くほど、他チームに今ある影といおうかウィークポイントが気がかりになる。コンストラクターズ2位を守るルノーは、カナダで今季初めての2台全滅。両者共に、同じドライブシャフト・トラブルだった。フェラーリが最も警戒していたルノーだが、これでシーズンの展開がずいぶん楽になった。また信頼性では3位B・A・R・ホンダも問題を抱えた。佐藤琢磨のマシンに頻発するエンジントラブル。一方のJ・バトンは8戦で6回表彰台という対照的な結果。原因究明を急ぐホンダ技術陣も、琢磨にばかり集中する“トラブル・ミステリー”に苦しめられている。しかしエンジン・スペックを変えてみたり、ドライビングを考えすぎたりするとかえっておかしくなる可能性もある。これまでの走行データを徹底分析してトラブルの因果関係を求めると同時に、レースの間にあるテストでも信頼性追求プログラムを優先するなど『緊急総点検』を進めていただきたい。

 フェラーリとM・シューマッハーが'96年に組んでからはや9年。いま彼らは、最高の強さを保っている。ルノーとB・A・R・ホンダに課題はあるが、しかし攻めの姿勢は中盤も貫きとおしてほしい。フランスGPのルノー、イギリスGPのB・A・R・ホンダ、それぞれの一戦での集中力に期待したい。(モントリオールにて)

関連キーワード
ミハエル・シューマッハー
フェラーリ

ページトップ