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「マドリーは政府お抱えだ」
波紋を呼んだ観光政策。
~バルセロニスタが憤る理由~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2011/04/03 08:00

「マドリーは政府お抱えだ」 波紋を呼んだ観光政策。~バルセロニスタが憤る理由~<Number Web> photograph by AFLO

ペレス会長はサウジアラビアでのスクール開設を発表するなど、様々な収益確保策を実行

 レアル・マドリーとバルサのライバル関係がピッチ内にとどまらないのは有名な話だが、先日バルセロナで大きく取りあげられたニュースもそんな両都市の関係を表していた。

 波紋を呼んだのは、マドリーがスペイン産業観光商務省と締結した観光提携だ。この契約により、マドリーは2013年まで政府当局の公式チームとして、“Visit Spain, Visit Madrid”というフレーズを掲げ、マドリッド市とスペインの観光促進に協力することになった。

 フロレンティーノ・ペレス会長や選手が集った締結式で、産業観光商務省のミゲル・セバスティアン氏は「レアル・マドリーは我が国の観光における公式なアイコンとなる」と語っている。すでにサンティアゴ・ベルナベウには広告が掲げられ、クラブは世界に向けマドリッド観光をアピールし始めている。

「やはりマドリーは政府お抱えのクラブだ」など相次ぐ批判。

 さて、これに反感を覚えたのが、「反マドリッド」のスタンスをとるバルセロナの人たちだ。

 スペイン政府がバルセロナには声もかけず、彼らの宿敵マドリーを選んだことは、カタルーニャの人々にとっては許し難いことだった。

 なかでも契約金の額が批判の対象となっている。失業率20%以上とスペインを襲う大不況の中で、政府は330万ユーロ(約3億8000万円)もの大金で契約を結んだが、これに対し「この不況時に他に使う選択肢はなかったのか」、「やはりマドリーは政府お抱えのクラブだ」などの批判は絶えない。

 過去にはバルサもカタルーニャ観光局のイメージチームに選ばれてはいるが、政府のそれとは規模も契約金も比較にならない。バルサは今年から史上初めてユニフォームに胸スポンサーをつけることになるなど、経済状況は決して良くない。そんな中でマドリーだけが少なくない契約金を手にすることにバルセロニスタは納得がいかないわけだ。

 そんなこともあってか、現在バルセロナでは「観光客数でマドリッドに勝とう」との声も多い。バルセロナは年間約700万人が訪れる欧州有数の観光都市で、客数でも毎年マドリッドと競っている。

 2大観光都市による争いが相乗効果となり、国の活性化につながれば、スペインサッカー全体にとっても大きなプラスになるはずだ。

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