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3連単の本格導入で競馬人気復活なるか。 

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph bySeiji Sakaguchi

posted2004/08/26 00:00

3連単の本格導入で競馬人気復活なるか。<Number Web> photograph by Seiji Sakaguchi

 1着・2着・3着馬を着順どおりに当てなければいけないのが「3連単」という新しい馬券だ。現行最多の18頭が出走した場合には、組み合わせ総数は4896通りにもなる。かつてない難易度の高さは、その数字だけで十分にうかがい知れる。

 JRAが'03年以降に行われた平地のG?レース31個で試算したところによると、その8割以上を占める25レースが100倍以上のいわゆる万馬券決着になっていたという結果が出た。そのうちの15レースが1000倍超過。1万倍以上も3レースあった計算で、最大は10番人気のイングランディーレが逃げ切って、ゼンノロブロイ、シルクフェイマスと続いた今年春の天皇賞。10番人気→4番人気→5番人気という組み合わせで4万9712倍もの配当になるというから驚く。100円玉1個が、なんと500万円近い大金に化けるのだ。このレースの実際の3連複の払戻金は21万1160円。それでもどよめきを誘うのに十分な金額だったわけだが、3連単の時代になれば「そんなものか」で済まされてしまうようになるかもしれない。大げさではなく、危険なぐらいの破壊力を秘めた馬券なのだ。

 宝くじ感覚で買える、というのがファン拡大の好材料になるのかもしれないが、外れてばかりいては、好きだった競馬も嫌いになる可能性だってある。JRAのサプライズ路線の切り札としての期待を背負っているわけだが、両刃の剣的な要素も含んでいることも自覚しなければならないだろう。滅多に当たらない馬券であることだけは間違いないからだ。

 3連単の本格導入は9月11日の中山、阪神、札幌からになるが、その前に試験的に8月14日からの札幌競馬で先行導入される。この期間は第9レースと最終の第12レースだけが発売対象。しかも開催競馬場と、ウインズ札幌、それと鳥取県のウインズ米子だけで発売と、希少価値を高める作戦だ。JRAでは関西の都市圏からバスを仕立ててウインズ米子への「3連単体験ツアー」を企画するなど、熱心なPRを展開中だ。16頭が最大頭数の札幌だが、それでも当たる確率は3360分の1。ひと昔前には売り上げの主流を占めていた枠連が、どんなに多頭数になっても36分の1だったことを思えば、まさに隔世の感だ。的中者なしで全員に70円の特払いというレトロなシーンが出現しそうなのが面白い。

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