SCORE CARDBACK NUMBER

不調続きの高橋大斗。信ずべき道は何か。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

posted2005/12/22 00:00

 来年2月のトリノ冬季五輪を前に、フィギュアやスピードなどスケート陣が活躍している。本番でもメダル量産が十分期待できそうだが、心配なのはノルディックスキーの不調だ。ジャンプ陣の苦戦はある程度予想していたが、複合のエース高橋大斗の低迷は意外だった。

 11月25日に開幕したW杯の個人第1戦では、前半飛躍こそ11位と健闘したものの、後半の距離(15km)で大きく順位を落として26位と惨敗した。さすがに本人も驚いた様子で「こんなに体が動かないとは。これでは試合にならない」と頭を抱え、不調の理由については「分かりません。謎です」と首をひねった。続く27日、第2戦スプリントでは飛躍で首位に立ち、後半の距離(7.5km)は2位に12秒差をつけてスタートしながらもずるずる後退。13位に沈んだ。その後も状況は好転せず、今月3日の第3戦は24位(前半飛躍14位)、4日の第4戦スプリントも26位(前半4位)と、低迷打開の糸口すら見いだせない状態が続いている。

 純ジャンプからの転向者が多い日本では、距離を苦手とする選手が多い。高橋も例外ではなく、それを踏まえて毎年トレーニングを続けてきた。だが、昨季は夏場にローラースキーの量を増やしすぎてオーバーワークになりフォームを崩した。また、筋力トレーニングの不足から上半身の強化が遅れ、上下のバランスが崩れたことも悪影響した。そのため今季は、上下のバランスを意識した体力強化を目指してきたが、残念ながらこれまでのところ目立った効果は表れていない。

 もともと高橋のジャンプの技術は世界のトップレベルにある。好調だった'03―'04年シーズンは、そのジャンプに加えて少なくとも今季よりは距離でも粘りを見せていた。

 今季の不調の原因が一過性のものなのか、それとも根本的なフォーム改造を必要とするものなのか。現時点でそれは分からないが、どちらにしても残された時間はあまり多くはない。

 かつて複合の世界王者だった荻原健司は「勝ち続けることにこそ意義がある」と五輪よりもW杯にこだわったが、今の高橋にそんな余裕はない。ここまできたら焦って軌道修正をするよりも、自分がこれまでやってきたことをひたすら信じて突き進むことの方が正解だろう。

ページトップ