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新守護神・佐野を擁し土台固めの大会に。 バレーボール 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byTomoki Momozono

posted2007/08/09 00:00

新守護神・佐野を擁し土台固めの大会に。 バレーボール<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

 8月3日、女子バレーボールのワールドグランプリが開幕する。今年11月のワールドカップで3位以内に入り、北京五輪の出場権を獲得するために、柳本晶一監督は今大会を「8割程度チームを作り上げる場」と位置付けている。

 鍵を握るのが、リベロの佐野優子(久光製薬)だ。日本の持ち味である速いコンビを機能させるには、正確なレシーブが不可欠。そのため守備の要であるリベロが重要な存在となる。

 佐野は、前回'03年のワールドカップでもリベロを務めたが、翌年のアテネ五輪最終予選直前に全日本から落選。その年、フランスの強豪・RCカンヌへ移籍した。'03年に東レを退社しており、まさに身一つでの挑戦だった。RCカンヌには2年間在籍。フランスリーグで2年連続優勝を飾り、世界各国の代表選手がひしめく欧州チャンピオンズリーグでも、2年目に準優勝し、ベストリベロに輝いた。

 2シーズン目のフランスに旅立つ前、佐野が「カンヌのメンバーは頑張ってきた子ばかり。自分が活躍して、今度はあのチームを絶対チャンピオンズリーグで優勝させたい」と語ったのが印象的だった。その約1年前の、アテネ五輪予選に向けた全日本合宿で「五輪に行きたいから、ついていっている」と話し、どちらかというと引っ張られる立場だった佐野とは、全く違って見えたからだ。

 世界トップレベルの舞台で結果を残し、佐野は昨年日本のV・プレミアリーグに復帰した。'06 ―'07 シーズンは、広い守備範囲、精度の高いプレーで久光製薬優勝の立役者となった。身長158cmの小さな体で、外国人選手が打ち下ろす高さとパワーのある強打を受け止め、味方の攻撃につなげるシーンは圧巻だ。

 「以前は外国人の強打が来たら“次、こんなの取れるかな……”と不安になったけど、海外ではそれが当たり前なので、慣れましたね。それを上げないと試合にならないので、強いボールの勢いを殺せるような体の使い方が身につきました」

 柳本監督は「安定感では群を抜いている。リベロはバラツキがあってはいけないが、佐野は計算できるプレーをするのでチームも安定するのではないか」と期待を寄せる。ワールドグランプリが、佐野にとって、アテネでかなわなかった五輪出場を果たすための第一歩となる。

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