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若き才能に光を。大型企画がついに始動。 

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大串信

大串信Makoto Ogushi

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photograph byMakoto Ogushi

posted2006/06/22 00:00

若き才能に光を。大型企画がついに始動。<Number Web> photograph by Makoto Ogushi

 昨年末にJRP(日本レースプロモーション)から発表された新フォーミュラ、FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)が、いよいよ本格的に動き出した。発表以来、なかなか具体的な内容が明らかにならずやきもきしたが、6月5日、今季のエントリーリストが発表され、全車による初練習走行会が鈴鹿サーキットで催されたのである。

 FCJは単なる新カテゴリーではない。国内モータースポーツの振興を目的として、トヨタ、ニッサン、ホンダの国内三大自動車メーカーが共同で支援を行うのだ。

 若い選手にとって高額の活動資金が必要なモータースポーツは、ややもすれば景気の動向に大きな影響を受けて活動が停滞し、選手の新陳代謝が止まって閉塞状況に陥る。三社はサーキットの上では互いに激しく争う競争相手である。目先の成果を優先しがちな自動車メーカーが、長期的な展望を持って若手育成のため協力体制をとったことは、国内レース史上に残る画期的事態である。

 三社の支援により、参加費用は同等カテゴリーのフォーミュラカーレースに比較して破格に低い。しかもここで能力を認められればF3をはじめとする上位カテゴリーへ進出するためのスカラシップが三社から受けられる。才能には自信があっても資金がないために涙を飲んできた若い才能にとっては理想的な環境であり、国内レース界にとっても活性化の大きなきっかけになるに違いない。

 もちろん、史上初の試みゆえの試行錯誤は避けられまい。たとえばこれまでトヨタはFT(フォーミュラ・トヨタ)、ホンダはFD(フォーミュラドリーム)と、FCJ同等の育成フォーミュラレースを別々に開催してきた。FCJ開催に際しホンダはFDの開催を打ち切ったが、トヨタはFCJと並行してFTも開催し続けるなど、三社の方針が完全に一致しているとは言い切れない状況がある。運営を担当するJRPには今後解決せねばならない課題が山積しているが、それらを乗り越えてFCJが繁栄し本来の目的を遂げることを切望するばかりだ。

 FCJ初レースは、7月第2週、フォーミュラ・ニッポン第4戦のサポートレースとして27人の参加者を集め鈴鹿サーキットで行われる。

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