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不屈のライオンを支える
大陸随一の大応援団。
~異常なW杯熱のカメルーン~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byAFLO

posted2010/01/19 06:00

11月14日モロッコ戦でW杯出場を決めてファンに手を振るエトー。最終予選6試合で3得点

11月14日モロッコ戦でW杯出場を決めてファンに手を振るエトー。最終予選6試合で3得点

 カメルーンのサポーターが大挙して南アフリカへ――。

 ワールドカップ抽選会でケープタウンを訪れた際、地元紙『ケープ・タイムズ』をめくっていたら、そんな記事が載っていた。

 南アフリカのウォルター・シスル大学の研究者、テンビ・ティチャアワ氏のリサーチによると、カメルーン国内のサッカーファンの40%近い人が、本大会で代表チームの応援に現地まで駆けつける予定だという。

 大会組織委員会によると、南アフリカ以外のアフリカ諸国でのワールドカップチケットの売り上げは芳しくないそうだ。“アフリカのためのワールドカップ”と銘打って盛り上げてきた組織委員会だが、委員長のダニー・ジョーダンは抽選会で「アフリカでのチケット売れ行きの低迷は驚きだ」と不安気だった。

 しかし、カメルーンだけは話が別のようだ。

国民の期待と希望を一身に背負うカメルーン代表。

 今大会、チケットはインターネットによるクレジットカード払い。どちらも広く普及しているとはいえないカメルーン国内ではチケットを手にしているサポーターはまだ少ない。

 しかし、それでも南アフリカ行きを望む人が多いのは、現在の代表チームに対する期待の表れでもある。予選途中の就任から4連勝で見事突破を決めたポール・ルグエン監督や、国民的英雄サミュエル・エトーの人気は非常に高い。

 人々が代表チームに情熱を注ぐ理由は国内情勢にも一因がある。カメルーンはポール・ビヤ大統領が'82年から政権を握っており、一部では独裁政治との声も。選挙の度に不正や買収の疑いがかけられており、“国家”カメルーンに不満を持つ国民も多い。そんな現実に背を向け、代表チームにナショナリズムを見いだす人も少なくないのだろう。

熱狂的なカメルーン・サポーターの存在が日本代表を脅かす。

 アフリカ史上最高のGKと言われ、現在は代表GKコーチを務めるトーマス・ヌコノも「国民の代表に対する熱意はすごい。南アフリカでも我々の後ろには彼らがいる」と自信あり気だ。

 現地でサポートしようというカメルーン人は今も増えつつある。6月、南アフリカを目指し南下するカメルーン人たちの存在は、グループリーグで対戦する日本代表にとって脅威となるかもしれない。

■関連リンク► 対戦国決定!日本代表、南アW杯での目標は? (言わせろナンバー 結果レポート)
► <現地取材> デンマーク 「10年目の真実」 ~南アW杯対戦国研究~

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