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世界選抜に選ばれた箕内の大暴れに期待。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinsuke Ida

posted2006/12/07 00:00

世界選抜に選ばれた箕内の大暴れに期待。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 「最初で最後でしょうしね」

 箕内拓郎は悪戯っぽく笑った。

 11月10日、日本代表がスーパー14の強豪・豪州レッズとの強化試合に22対29の接戦を演じた試合後、日本ラグビーにはさらに胸の躍るニュースが届けられた。ジャパンの大黒柱・NO8箕内が、世界選抜に選ばれたのだ。

 箕内が招集された試合は、12月3日に英国レスターで行われる「南アフリカ対ワールド」。これは1906年の南ア代表初の海外遠征から百周年を記念する試合で、他にはNZ代表81キャップのSHマーシャル、南アのWTBポールセ、ラッセルら、世界に名を轟かせた猛者たちが名を連ねている。

 そもそも海外志向は強かった。関東学院大を主将として初の大学王座に導いた翌'98年にオックスフォード大へ留学。ケンブリッジ大との定期戦出場を果たし、NEC入社後もイタリアのパエゼでプレー。「ジャパンで外国チームと戦うよりも、外国の選手の中に一人で入ってプレーすることに魅力を感じます」と話したのは、まだ日本代表に入っていなかった2000年12月だった。「その方が、責任は自分にあるということがはっきりしますから」(本誌515号)、何より心がタフだった。

 '02年に日本代表に入り、'03年W杯後も海外移籍を睨んでいた箕内が考えを変えたのは'04年秋、欧州遠征でスコットランド、ウエールズに歴史的惨敗を喫してからだ。代表主将として、国を背負いながら喫した汚名をそそぐまではと、個人の夢は封印。そんな決意にも拘わらず昨秋以降は代表から外れる不遇も嘗めた。

 「トップリーグの試合がある時期に快く送り出してくれた高岩監督とチームメートに感謝します」。まず謝辞を口にした箕内は続けて「南アは好きなチームだし、フィジカルでどこまで通じるか試してきたい」と闘志を吐露。日本代表のカーワン次期HCも「箕内の力はインターナショナル級。日本ラグビーのレベルを世界に証明するチャンス」と興奮を隠さない。

 '92年にはNZ協会百周年試合の世界選抜に呼ばれた吉田義人が、オールブラックス相手に鮮烈なダイビングトライを奪い衝撃を与えた。箕内は体格でも腕力でも世界のトップが集まるFW第3列での選出だが、敷居の高さは望むところ。秘めた野性を解き放って大暴れしてほしい。

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