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小さな王者・中嶋の大きな冒険に期待。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byEssei Hara

posted2007/07/12 00:00

小さな王者・中嶋の大きな冒険に期待。<Number Web> photograph by Essei Hara

 佑ちゃん、ハニカミ遼くんばかりではない。プロレス界には、さわやか勝彦くんがいる。

 全日本のマットで活躍する健介オフィスの中嶋勝彦(19)のことだ。今年の2・17両国国技館でヒール軍団VMの近藤修司を破って世界ジュニア・ヘビー級王座を奪取、18歳11カ月と史上最年少のチャンピオン誕生と話題になったばかりだ。

 「母親に家を建ててやりたい」と長州・WJプロレス入り、中学を卒業した'03年の9月6日にデビューした中嶋は、定時制高校の2年生でもある。

 本稿の締め切りの関係上、軽量級最強を決めるジュニア・ヘビー級リーグ戦の結果は入れられないが、6・24後楽園での開幕戦では因縁の近藤と激突した。勝彦には高校生2冠王の夢がふくらみ、2月にノーザンライト・ボムと原爆固めにやられている近藤にとっては4カ月ぶりのリベンジ・マッチである。全日本のマットではジュニアによる初のメインイベント。前・現のジュニア王者同士の公式リーグ戦での対決は、前回の両国に劣らぬ迫真の好ファイトとなった。誰もが勝彦

vs.近藤の熱戦に釘付けで、湧き上がる場内の「カツヒコ・コール」も半端ではなかった。

 期待の勝彦は、近藤のパワーに圧倒され、キングコング・ラリアット2発を食って逆転負け。近藤に「実力が違うよ。あいつは気迫がなかった」と見下された。

 しかし高校生2冠王の夢が遠のいたとしても、キャリア4年にして「格闘技のメッカ」でメインを張ったことはこれからの選手生活の中で大きな自信となる。試合を見守った佐々木健介は「勝彦はこの悔しさをバネにしたらもっともっと強くなる」と語った。

 梅雨時はジュニアの季節。新日本のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアは初出場でフリーのミラノコレクションA.T.の初優勝に終わった。そして7月1日からはノアのジュニア・タッグ・リーグ戦が始まった。筆者に言わせれば「ヘビー級の連中は何をやっているんだ」と怒りたくもなる。

 軽量級のど真ん中に立つ勝彦は、9月1日、東京・ディファ有明における健介オフィスの第2回興行でノアの巨漢ROH世界王者・森嶋猛に挑む。小さなチャンピオンの大きな冒険が始まる。

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