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再び羨望の対象となった、緑の古豪セルティックス。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2007/10/04 00:00

 色にもイメージがある。英語圏では緑は“嫉妬”あるいは“羨望”の色だ。もとは、シェークスピアが名作、『オセロ』で嫉妬のことを「緑の目をした怪物」と表現したことに由来するという。

 NBAでは、緑のチームとして多くの人が一番に思い浮かべるのが、伝統あるボストン・セルティックスだ。チーム名からもわかるように、かつてボストン近辺にケルト人が多く入植してきた歴史から取ったチームカラーだが、'59年から8連覇と'60年代のNBAを支配したうえ、'70年代、'80年代になっても優勝し続けた常勝セルティックスは、いつも他チームの“羨望”の対象でもあった。強いが故に、ボストン以外の土地では「セルティックスの緑は大嫌い」というNBAファンが多かった。

 「多かった」と過去形で書いたのには理由がある。'90年代以降のセルティックスは補強の失敗の上に不運も重なり、強豪とは程遠い弱小チームだったのだ。

 ここでまた過去形を使ったのにも理由がある。11月からの新シーズン、久しぶりに古豪セルティックスの復活が期待されているのだ。この夏、大きなトレードを2つ敢行し、チームを大改造したセルティックスは、ポール・ピアスに加え、レイ・アレン(シアトルからトレードで獲得)とケビン・ガーネット(ミネソタからトレードで獲得)という3人のオールスター選手が揃うチームになった。

 特筆すべきは3人とも、これまでは孤軍奮闘しながらも優勝とは縁遠かったということ。それだけ勝つことに飢え、戦うための同志に恋焦がれてきた選手たちばかりだ。7月末にガーネットのトレードが成立、その後行われた記者会見では、ピアスとアレンも同席し、3人で満面の笑顔を見せていたのが印象的だった。

 その記者会見でガーネットは言った。

 「毎晩勝てる可能性があるということ、そのために一人で毎晩30点、20リバウンドを取らなくてもいいということが嬉しい。自分の横に2人、頼れるヤツらがいるということが嬉しい」

 もちろん、3人を揃えるために犠牲にしたものもある。3人がいるからといって、簡単に優勝できるほど甘くもない。

 それでも確実に言えることがひとつある。それは、セルティックスの緑が再び羨望の色になったということだ。

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