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スーパーGTの車番1、ルーキー伊沢に注目。 

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大串信

大串信Makoto Ogushi

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posted2008/04/03 00:00

 昨年のスーパーGT選手権でシリーズチャンピオンになったのは、ホンダNSXに乗った伊藤大輔とラルフ・ファーマンだった。スーパーGTはクルマの競走、と決めつける向きもあるが、昨年の伊藤とファーマンは機械の性能に頼るばかりではなく、明らかにチャンピオンにふさわしい戦いぶりを見せた。

 そういう意味でまさにホンダのエースとなった伊藤ではあるが、シーズン終了後電撃的な移籍を発表した。行き先はホンダのライバルであるトヨタ系のチームである。ホンダは、エースを引き抜かれた形になってしまったのだ。

 自分の移籍がどれほどの波紋を呼ぶか最もわかっていたのは伊藤自身だろう。だが元々ホンダのドライバー待遇は必ずしも良くはなく、これまでにも優秀なドライバーが流出することがまま、あった。伊藤の決断も、それなりの待遇と、将来的な可能性を提示されたからこそ下されたものと囁かれている。

 一方、伊藤の抜けた穴をホンダはどうやって塞ぐのかと注目されたが、ホンダは思い切った手を打ってきた。なんと、全日本F3選手権上がりのルーキー、伊沢拓也を持ってきたのだ。

 伊沢はフォーミュラドリームからホンダの育成プログラムに乗ってステップアップしてきた。昨年には異例の抜擢を受けてスーパーGTですでにスポット参戦を果たしている。

 今年、伊沢は全日本選手権フォーミュラ・ニッポンとスーパーGTを戦う。ちょうど、今年IRLでアメリカのトップフォーミュラにステップアップした武藤英紀と同じ道を歩むことになる。

 それにしてもいきなりチャンピオンカーを示す車番1をつけてスーパーGTを戦う伊沢は、その重圧に耐えられるのか、興味は尽きない。彼にとっては武藤に続き、さらに上のレベルへ進出するための大きな試練となることだろう。

 今のところ、パートナーのファーマンが「自分が新人を引っ張る」と昨年以上の意気込みを見せつつ、通常はあまり新人には使わせないニュータイヤも伊沢に比較的多く回して経験を積ませるという、よきトレーナーぶりを見せている。しかしいつまでもそれに頼るわけにもいくまい。車番1で走り出すスーパーGTの伊沢に、今シーズンは注目したい。

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