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「原点回帰」を掲げる9・25 K-1 in武道館。 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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posted2004/09/22 00:00

 天国でアンディ・フグが泣いている。正直、最近のK―1を見ていると、そう思わざるをえない。テクニックと気迫に欠ける“モンスター系”の台頭、プロレスもどきの場外乱闘や反則etc……。いったいどうしたんだと叫びたくなるほど、K―1は方向性を失い始めた。昨年大晦日のボブ・サップ

vs・曙太郎が歴史に残る高視聴率を稼いだことで、競技と興行のパワーバランスが狂ってしまったのだろうか。谷川貞治イベントプロデューサーも反省する。

 「サップをはじめとするキャラクター先行型の選手のおかげで、K―1の世間での知名度は上がった。でも、その一方でK―1ファイターのアスリートとしての優秀さのアピールが希薄になってしまった」

 かつてアンディ、アーネスト・ホースト、ピーター・アーツらがしのぎを削っていたK―1を知る者にとって、今のK―1はK―1ではない。中でもヘビー級戦線の地盤沈下は深刻だ。アーネスト・ホーストは「いつの間にか私とコンビネーションで対等に競い合える選手はいなくなってしまった」と嘆く。

 ある部分、ホーストの指摘は正しい。対等に競い合えるかどうかは別として、バランスよくパンチとキックを使える選手は本当に少なくなってしまった。だからといってモンスターやパンチャーはいらないと主張しているわけではない。様々なタイプの選手がいた方が闘いは面白いに決まっている。要はバランスの問題。プロ野球も4番打者をズラリと並べたら面白みに欠ける。それと同じだ。

 方向性が間違っていたら、軌道修正するしかない。そういう意味で「K―1ワールドGP2004開幕戦」(9月25日・日本武道館)のメインテーマに谷川プロデューサーが「原点回帰」を掲げたのはタイムリーだった。

 個人的に開幕戦で注目したいのは、コンビネーションに長けた選手の闘いぶりだ。通算5度めの優勝を狙うホーストは極真空手出身のグラウベ・フェイトーザと、新世代の旗手アレクセイ・イグナショフはムエタイ戦士ガオグライ・ゲーンノラシンと、武蔵は荒くれ者のシリル・アビディと対戦する。十八番の飛びヒザ蹴りだけではなく、パンチの技術にも優れた昨年度の王者レミー・ボンヤスキーは1回戦をシード。特別試合に出場する。

 コンビネーションがK―1を救う。

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