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プロ野球交流戦突入。
好調楽天に勝機あり。 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byTomoki Momozono

posted2009/05/26 06:02

 楽天の強さは本物なのか。我々はいつ、どの時点でそれを判断すべきなのか。それはやはり、5月19日から始まった交流戦でだろう。具体的に言えば、楽天が交流戦を勝率5割で乗り切った場合、チーム初のクライマックスシリーズ進出は、ぐっと現実味を帯びてくると思う。

 それは、交流戦が今年と同じ24試合制で行なわれた'07年と'08年の結果を振り返って見ると、理解できる。2年とも、交流戦終了時にペナントレースの順位が2位以内だったチームは、必ずクライマックスシリーズに進出しているのである。

 この例に倣って言うと、5月12日時点(以下同じ)で貯金6の楽天は、交流戦を終えて同じ貯金を維持していれば、パ・リーグの2位以内は間違いない状況だ。つまり交流戦の勝率5割は、楽天にとって初のAクラス入りの条件と言っていい。

交流戦終了後にリーグ2位以内をキープできるか?

 交流戦5割。これは楽天にとって――少なくとも野村克也監督になって以降の楽天にとって、それほど難しい条件ではない。野村監督の就任した'06年以降、交流戦の成績は、

 '06年 17勝19敗(.472)

 '07年 11勝12敗1分(.478)

 '08年 13勝11敗(.542)

となっている。大きく負け越した年は一度もないのである。交流戦は、対戦機会の少ない相手とやるわけだから、事前の情報収集と分析が、より意味を持つ。それだけに、野村監督の就任以降、ペナントレースの勝率より交流戦の勝率の方が高いのは、偶然ではないように思える。

 一方、楽天を追いかけるオリックス、西武、ソフトバンクのうち、交流戦で実績があるのは昨年1位になったソフトバンクだけだ。オリックスは'08年借金2、'07年貯金1。西武は過去2年とも借金4、借金6と、交流戦で浮上した実績はない。こういったことを考え合わせると、交流戦終了時に、楽天がリーグ2位以内を確保する可能性は、かなり高い。

 ただ、交流戦を前に主力選手が2人離脱した。まず高須洋介が、試合中の守備で左足靭帯を損傷、5月7日に登録抹消。そして9日には、鉄平がめまいを伴う体調不良で登録抹消。これは痛かった。

 今年の楽天打線は、渡辺直人、草野大輔と、この高須、鉄平の活躍が極めて大きかったからだ。チーム本塁打は14本でパ・リーグ最少だが、一番・渡辺の高い出塁率(.436)と、驚異的な得点圏打率の草野(.438)、高須(.462)、鉄平(.323)が、好機を生かして得点してきたのである。

山崎、中村のバットに、いつ火がつくのかがポイント。

 交流戦では、誰かが高須、鉄平の穴を埋めなければならない。理想的には、高須に代わって二塁に入ったベテランの小坂誠、鉄平に代わって1軍に昇格した聖澤諒が働くことだが、完全な代役はなかなか難しい。そうなると、やはり期待されるのは山崎武司と中村紀洋の主軸2人だ。5月最初の10試合で、山崎は1本塁打、中村はまだ0本塁打である。この2人のバットに、いつ火がつくのか。昨年はそれぞれ26本、24本と打っている選手だから、そろそろ期待していい時期ではある。

 チーム防御率リーグ2位の投手陣は、肩を休めていた田中将大が交流戦には間に合う可能性が高いので、今後も大きく揺らぐことはないだろう。やはりポイントは、高須と鉄平の穴が埋まるかどうかだ。

 交流戦では、まずヤクルト、次に巨人と2連戦を戦う。セ・リーグ1位、2位との対戦で、今年の楽天の真価を見ることができそうだ。

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