野球ファンにとって、お年玉的ビッグニュースが海を越えて飛び込んできたのは、年が明けたばかりの7日のことだった。
日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナーが、メジャーリーグ機構のバド・セリグ・コミッショナーとアメリカで会談した際、日米のチャンピオンチームによる『グローバル・ワールドシリーズ』開催が提案されたことを明かした。それもセリグ・コミッショナーの任期が切れる2012年までに実現したいというのだ。
「アメリカに追いつき、追い越せ」で発展してきたNPBにもちろん異論はあるはずもなく、加藤コミッショナーは現実問題として検討し、話し合いを続けていくことを表明した。WBCに続いて、今度は単独チーム同士による真のワールドチャンピオンチームを決める。想像するだけでもエキサイティングな気分になる。
アメリカ最大のスポーツTV局ESPNの電子版はこのニュースを受け、早速アンケート調査を実施、「グローバル・ワールドシリーズをみたいか」との問いかけに、回答を寄せた8000人余のうち、76.6パーセントが「イエス」と答えている。リアクションは上々だ。アメリカの地元メディアはNFLのプレーオフ開幕直前ということもあって扱いは小さいが、好意的な見方をしている。
野球ファンもマスコミもこぞって賛同するのだが……。
実際、個別に感想を求めても期待感が伝わってきた。
ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストで国際スポーツ大会の豊富な取材経験を持つジョージ・ベクシー記者も、スポーツイラストレイテッド誌電子版でスクープを連発するジョン・ヘイマン記者も、「素晴らしいアイデアだ。実現したら是非とも取材に行きたい」と口を揃える。ところが、2人とも同じように、「しかし」と続けるのである。
「実現するには多くのバリアが存在する。選手会との調整、開催時期と場所、シリーズのフォーマット、そしてギャランティ。どれをとっても簡単ではない」(ベクシー記者)
「一番大きな課題は開催時期だろう。MLBは、他のプロスポーツTV中継が重なる11月開催を望まないはず。そうなれば3月ということになるが、それでは趣旨にそぐわなくなる」(ヘイマン記者)
アメリカだけでなく、日本メディアも歓迎をしているが、一方でその実現性については悲観的な見方が少なくない。
しかし、振り返ってみればWBCの構想が取り沙汰された10年ほど前にも同様のことが指摘され、実現性は乏しいといわれていた。また、日本球界の中には、メジャーの新たなビジネスモデル作りに加担すべきでないという強硬意見も聞こえていた。確かに、一面を語っていたかも知れないが、全てというわけではない。それは過去2回の大会で証明されているはず。
<次ページに続く>
(更新日:2010年1月30日)































