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CL決勝トーナメント1回戦を見逃すな! 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2005/01/20 00:00

 オーウェンは抽選の結果を見て、こうつぶやいた。

 「もしファンだったら、チャンネルをどこに合わせるか、TVの前でわからなくなっちゃうだろうね」

 12月17日スイスのニヨンにおいて、チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦の抽選が行われた。最初にレアル・マドリー対ユベントスが決まったのを皮切りに、バイエルン対アーセナル、バルセロナ対チェルシー、マンチェスター・U対ACミランと、2月22、23日に行われる豪華な対決が続々と決まっていった。オーウェンだけでなく、世界中の人が目を離せない“早過ぎる決勝戦”ばかりになったのだ。

 なかでも注目なのが、スペインリーグで首位を独走するバルセロナと、昨季のCL優勝監督のモウリーニョが率いるチェルシーの対決。モウリーニョは、1996〜2000年までバルサのコーチをしていた。

 「あの街のいたる所に友達がいる。カンプ・ノウに再び戻ったときは、とても感動的な瞬間になるだろう」

 だが、モウリーニョは決して古巣を甘く見ているわけではない。ブラジル代表のロナウジーニョを筆頭に華麗なプレーを見せる攻撃陣をどう抑えるかに頭を悩ませている。

 「バルサは国内リーグでぶっちぎりで1位だから、CLに集中できる点で有利だ。昨季、私がポルトで優勝できたのも、早い段階でリーグ制覇に確信を持てたことで、CL前には8〜9人の選手を休ませていたおかげだから」

 旬を迎えつつあるバルサに対して、知将がどう挑むかが見所になる。

 代表でのポジション争いが、そのままCLに持ち込まれることになりそうなのが、バイエルン対アーセナルだ。バイエルンのGKカーンと、アーセナルのGKレーマンは、ドイツ代表でポジションを争うだけでなく、お互いに批判しあっている犬猿の仲(たとえばレーマンは「カーンの愛人より、オレの奥さんの方がキレイだ」と発言……)。早くも両チームの関係者を巻き込んでの言い争いが始まっており、バイエルンのマガート監督は「我々のアドバンテージは、優れたGKがいること。アーセナルのGKは、明らかに問題がある」と言い切った。ドイツの正GKの座を懸けた壮絶な試合になる。

 マンチェスター・Uのファーガソン監督にとって、ACミランとCLで戦うのは在籍18年間で初めてのこと。ファーガソンは「相手はヨーロッパで、最も経験のあるチームのひとつだけど、ウチが勝つチャンスはある」と自信を見せるが、ACミランにとって、マンチェスター・Uのスタジアムは'03年にCL優勝を決めた縁起のいい場所。再びミランは、幸運を掴むかもしれない。

 その他の組み合わせを見ると、リバプール対レバークーゼン、PSV対モナコ、ブレーメン対リヨン、ポルト対インテルと中堅どうしの試合になっている。お互いのチームに、「この組み合わせでラッキー。こいつらには勝てる!」という油断がある可能性が高く、攻撃的な試合を見ることができそうだ。

 アーセナルのベンゲル監督は、この抽選結果を見て「厳しいカードだが、もし1回戦を突破できれば、その時点でヨーロッパのビッグクラブが4つ消えることになる。優勝経験がないチームにとって、今季は大きなチャンスだ」と言った。強豪どうしの潰しあいが、その後の展開に大きく影響することは間違いない。5月25日の決勝(トルコ)に登場するチームは、昨季に続いて誰も予想しなかったチームになるのかもしれない。

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