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北京への切符を目指すバレーW杯が開幕。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2007/11/01 00:00

 11月2日、バレーボールのワールドカップ女子大会が開幕する。各大陸選手権の上位2チーム(アフリカは1チーム)、開催国の日本、国際バレーボール連盟推薦国2チームの計12チームが参加し、総当りで対戦。3位以上のチームには来年の北京五輪出場権が与えられる。

 日本は9月に行われたアジア選手権で、5年ぶりに中国に勝利し、優勝。今大会に弾みをつけた。

 W杯では、アジアを上回る高さとパワーを持つ欧米勢との厳しい戦いが待つ。ただ、絶対的な高さを持ち、日本が苦手とする世界ランク1位のロシアが、欧州選手権で3位に終わり今大会に出場しないのは、日本にとって好材料だ。世界ランク2位の中国も五輪開催国のため不参加。現在、世界ランク7位の日本は、ブラジル、キューバやヨーロッパ勢と3枚の切符を奪い合うことになりそうだ。

 多彩な攻撃と高い守備力を備えるブラジル(世界ランク3位)や、欧州選手権を制したイタリア(同4位)は頭一つ抜け出しそう。しかし、8月のワールドグランプリで日本がフルセットの接戦を演じたキューバや、昨年の世界選手権で勝利したポーランドなどは十分に勝機はある。

 アジア選手権のように、正確なサーブレシーブやレシーブからの速いコンビで得点を重ねるのが理想。とはいえ、対アジアの時よりも威力のあるサーブでサーブレシーブが崩される場面は増えるだろう。そこで、ワールドグランプリの時のように高い壁にブロックされるのではなく、スパイカーがリバウンドを取ったり、ブロックのフォローを徹底して何度も攻め直すしつこさが必要になる。ディフェンス面でも持ち味である粘りを発揮し、打ち合いではなく、我慢比べに持ち込めれば、チャンスは広がる。

 日本にとって、アテネ五輪以降核となってきた竹下佳江、高橋みゆき、杉山祥子に加え、今年攻撃の柱として栗原恵、守備の要としてリベロ・佐野優子が復帰したことは大きい。

 佐野は、フランスの強豪・RCカンヌに2年間在籍。欧州チャンピオンズリーグで各国の代表選手たちと渡り合った。抜群の安定感と守備範囲の広さで、高橋や木村沙織の負担も軽減する。世界を知る守護神は、「ミスをしたりして、チャンスを逃さないようにしたい。逆に相手のミスを誘う我慢強さが必要」と日本の戦い方のポイントを挙げた。

 怪我に苦しんできた栗原は、今年アテネ五輪以来3年ぶりに国際大会のコートに立った。待望の、二段トスを打ち切れるエースとして、ワールドグランプリ、アジア選手権では期待に応えた。スパイクを決めても表情を崩さず、たとえシャットアウトされても臆することなくトスを呼び続ける姿には、たくましさと、エースとしての責任感がにじむ。

 ただ、W杯は3度の3連戦を含む11試合の長丁場。今年不動の3人、高橋、栗原、木村に代わることのできるサイドアタッカーが加われば、チームは厚みを増すのだが。

 まずは開幕3連戦に3連勝して勢いに乗りたいところ。3戦目のセルビア戦が最初の山場になるだろう。世界選手権では2セット先取されてからの逆転で日本が勝利したが、今年は欧州選手権で2位と、若手中心のチームは勢いに乗っている。

 五輪出場権を得る機会は来年5月の最終予選にも残されているが、今回3位以内に入って、五輪までの十分な準備期間を得たいところだ。北京への戦いがいよいよ始まる。

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