NumberEYESBACK NUMBER

4強プラス2チーム、
J1昇格争いの行方。 

text by

猪狩真一

猪狩真一Shinichi Igari

PROFILE

photograph byMasahiro Ura

posted2009/10/07 06:00

4強プラス2チーム、J1昇格争いの行方。<Number Web> photograph by Masahiro Ura

鳥栖のハーフナー・マイクは41節を終え、24試合12得点の活躍

 J1の優勝争い、残留争いもいよいよ佳境に。ということは当然、もうひとつの長い戦いにもクライマックスが近づいている。18チーム総当たり3回戦、計51節というJ2の戦いだ。

 昨季を最後に入れ替え戦が廃止されたことで、今季は3位のチームも無条件でJ1に昇格できる。昨季3位だった仙台が磐田との入れ替え戦で涙を呑んだように、これまで2位と3位との差は非常に大きかったが、今季は実質、J2勢にとって昇格枠が増えた形の設定になった。

3つのJ1昇格枠を巡る“4強プラス2”の熾烈な争い。

 その3つの椅子を巡る争いは、スタートダッシュを決めたC大阪、湘南を、仙台、甲府が追いかけ、春先には“4強”の様相に。彼らはそれぞれに苦しい時期がありながらも崩れず、熾烈なデッドヒートを繰り広げてきた。そして3枠滑り込みの可能性をわずかに残すのが、4強に食らいついてきた鳥栖と水戸。今季の終盤戦が面白いのはこの構図だ。

 まず、昨季の広島、'05年の京都、'04年の川崎のような独走チームがいないため、3枠すべてに入れ替わりの可能性がある。また、横浜FC、柏、神戸の3チームが他を引き離した'06年の三つ巴のように、2位以内か3位かという争いに興味が絞られてしまったわけでもない。

 3つの昇格枠に対して4強プラス2という構図。それは、入れ替え戦がなかった'03年に、2つの枠を広島、新潟、川崎の3チームが最終盤まで奪い合った状況に、さらに複雑な伏線を加えたようなストーリーだ。

下位チームが思わぬ伏兵に!? 最後まで行方は読み切れない。

 可能性を残すチームが多いだけに、今後の読みはかなり難しい。得点力に翳りが表れている湘南と、若手中心のチームに昇格争いのプレッシャーが影響を及ぼし始めたようにも見える水戸につまずきが目立ってきてはいるが、当該チーム同士の直接対決の結果いかんで流れは一変する。

 本誌発売時(10月1日)には42節が終わって残り9節。当該6チームはそのなかに直接対決を2~4試合ずつ残している。直接対決では、自らが勝点3を積み上げるか、相手が勝点3を奪うかによって、両者の勝点差は最大で6変わる。残った直接対決に全勝すれば相当な差を詰められるのだ。

 同時に言えるのが、J2の終盤戦では、直接対決以外で安易な勝点計算ができないということ。中位以上を狙える戦力を持ちながら、戦術の浸透が遅れて低迷していたようなチームが、ようやく地力を発揮し始めることがあるからだ。例えば、17位・18位を行き来する横浜FCや栃木といったチームの力も、既に順位では計れないものになっている。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  どん底から巻き返した鳥栖。奇跡の昇格なるか?

1 2 NEXT
1/2ページ
関連キーワード
ハーフナー・マイク
水戸ホーリーホック
ヴァンフォーレ甲府
サガン鳥栖
湘南ベルマーレ
セレッソ大阪
ベガルタ仙台

ページトップ