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本気で世界一を狙う
なでしこ“進化の条件”。
~2011年女子W杯に向けて~ 

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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photograph byAFLO

posted2009/12/09 06:00

本気で世界一を狙うなでしこ“進化の条件”。~2011年女子W杯に向けて~<Number Web> photograph by AFLO

戦術、テクニックでは世界最高レベル。あとは「勝者のメンタリティー」か

 なでしこジャパン(FIFAランク6位)が11月14日、ニュージーランド代表(同24位)と親善試合を行なった。

 相手はもともと格下であることに加え、主力を8人欠くメンバー構成。なでしこはチャンスらしいチャンスを与えず、2-1のスコアが示す以上に圧倒して勝利を収めた。ただし直前合宿で取り組んでいたアタック精度の向上と攻撃リズムの緩急、つまり北京五輪4強時からの進化の証を披露するには至らなかった。

 とはいうものの、この試合はなでしこの歴史上重要な意味を持つ可能性がある。佐々木則夫監督は合宿中、選手たちを前にしてはっきりと、

「2011年女子W杯ドイツ大会では優勝を狙う」

 と宣言したのだ。彼はその真意を試合後会見で、

「北京五輪で4強入りした他の国は優勝を狙っていた。それで初めてメダルに手が届く。今や日本は世界6位。北京以上の成績を残すには、頂点を目指す意識を持つべき」

 と説明した。ニュージーランド戦は、目標を『世界一』に定めたなでしことしての始動だったのである。

技術的には世界レベルだが、それだけでは頂点に立てない。

 能力的にはもはや夢物語ではない。だが能力だけで世界の頂点に立てないこともまた事実だ。

「例えば北京五輪準決勝のアメリカ戦。日本はせっかく先制点を挙げながら、リードを守り切ることができなかった。勝者のメンタリティーをまだ備えていないように思う」

 10月下旬に来日していた、トニー・ディチコの言葉だ。'96年アトランタ五輪と'99年女子W杯で代表監督としてアメリカを優勝に導き、現在は米女子プロリーグWPSのボストン・ブレイカーズを率いている米女子サッカー界の大立者である。

「私は北京五輪の試合中継で日本選手を見て、高い技術とパスワークの巧みさに驚かされた。それは多くのアメリカ選手が苦手とする部分だからね。翌年から発足するWPSで活躍できる素材が少なからずいる、と感じたものだよ」

 事実、彼は'08年秋の国際ドラフトでFW大野忍(日テレ・ベレーザ)を指名したものの、彼女がベレーザに残留したため獲得には至らなかった。だからこそ来季はリストアップした選手を必ずボストンに入団させるべく、はるばるアメリカから情報収集にやって来たわけだ。

<次ページに続く>

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