“皇帝”が統べるメルセデスGPが新ウイングをテスト。

　最後に2年前のチャンピオンチームのメルセデスGP（当時はブラウンGP）と皇帝シューマッハーである。

　メルセデスGPの首脳陣が「トップから1秒遅れている」という趣旨のコメントをウインターテスト期間中に述べており、確かにテスト3日目まではそうだった。

　ところが、レッドブルなど数チームが最終日となった3月11日に、メルセデスGPは新しいフロントウイングをサーキットに持ち込んだのだ。そして、アロンソが予選シミュレーションでたたき出したタイムを、午前中のうちにシューマッハーが更新。この新ウイングのポテンシャルに手応えを感じたチームは、その性能を確認させるために、この日はテスト走行の予定が無かったロズベルグを急遽呼び寄せたほどだ。

　シューマッハーには及ばなかったものの、ロズベルグもまたアロンソに肉薄するタイムを記録してサーキットをあとにした。

　バーレーンGPが中止され、開幕戦は2週間遅れて3月25日（決勝は27日）にメルボルンで開幕することになった2011年。しかし、最終テストが行われていたバルセロナでは、今シーズンの戦いの火ぶたがすでに切られていた。